脂肪肝

肝臓に中性脂肪がたまった状態を脂肪肝といいます。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、余分なエネルギーはグリコーゲンや中性脂肪につくり替えられ、体にたくわえられます。中性脂肪は、内臓脂肪や皮下脂肪になるほか肝臓にも蓄積し、肝細胞の30%以上に中性脂肪がたまると脂肪肝と診断されます。脂肪肝の多くはメタボリックシンドロームを合併しており、脂質異常(高中性脂肪・高LDLコレステロール・低HDLコレステロール)を起こしやすく、動脈硬化の原因になります。糖尿病を合併する人も少なくありません。

脂肪肝というと、お酒を飲み過ぎた人がなるイメージがあるかもしれませんが、脂肪肝にはアルコールが関係する脂肪肝と、アルコールがあまり関係しない非アルコール性の脂肪肝があります。非アルコール性の脂肪肝から肝炎や肝硬変に進行した状態までを含む一連の肝臓病のことを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD: nonalcoholic fatty liver disease・ナッフルディー)といいます。NAFLDのうち、80~90%は脂肪肝のまま経過し、これをNAFLDの病気を意味する「D(Disease)」を除いてNAFL(ナッフル)といいます。残り10~20%の人は炎症が徐々に進み、やがて肝炎から肝硬変に進行したり、肝臓がんを発症したりします。この脂肪肝から徐々に進行する肝臓病のことを非アルコール性脂肪肝炎(NASH: nonalcoholic steato-hepatitis・ナッシュ)といいます。

脂肪肝は症状がないため、肝硬変まで進行して初めて病気に気づくケースもあります。

脂肪肝は、血液検査と腹部超音波検査で診断が可能です。早めの診断と生活習慣の見直しが重要です。

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